(8)
帯芯をとじた後は、また、表に返す作業になりますが、今度は、両端が、とじてありますので、手先から2尺くらいの所を少しほどいて、帯を表に返します。
最初に、返したときと違って今度は、硬い帯芯が付いていますので、力の入る作業になりますね。
右の写真のように親方は、簡単にスムーズに帯をかえしていますが、前回と同じく帯を丸くたたみ込んで絶対に柄の部分をキズ付けないようにするには、熟練の技術がいります。

手を掛ける場所や力加減は独自の技法があります。上手くできないと金箔などに折りキズが入ってしまうこともあります。

帯を表に返し終わったあとは、上の写真のように専用の大きなヘラで丹念にしごきながら耳の部分と芯を整えていきます。細かな作業ですが、仕上げの地のしを掛ける前には、必ずしなければならない作業です。
ヘラで耳を整えた後は、しっかりアイロンを掛けます。
ヘラの重みも大事な小道具だそうです。
耳の部分がアイロンで整えられたら全体にしっかり霧を吹いて地のしを掛けます.全体にこの作業を繰り返して、4,2メートルの長さを地のししていきます。
この仕上げの作業は、帯芯も一緒になりますので、最初の地のしの工程より力の必要な作業になります。
仕上げ作業


仕上げアイロンが終わって丁寧に畳みます。
畳んだ帯を板で挟んで親方が重しになってしばらく押しをします。
アイロン仕上げがしっかりしているので、少しの時間の重しでスッキリなじんでピンとしました。
お太鼓の部分を作ってみました。
もどる
もどる
仕立て解説>袋帯仕立て作業工程>仕上げ